こんにちはearth&ecologyです。

 

 

私たちのグループは、これから人新世を生きていくにあたって大きな役割を担う自治体の活動について知るために、地方自治体の具体的な環境問題への取り組みについて調べました。

 ここでの環境とは、市民生活を取り巻く状況だと考えました。

 

そのために、豊中市立eMIRAIE環境交流センターを訪問して、具体的な活動について取材させていただき、またインターネットを利用して、大阪府のほかの地方自治体が、環境問題に対してどのような取り組みを行っているのかについて調べました。

 

取材は、事前に計画を立てて、何について取材したいのかを環境センターの方に伝え、直接担当者の方からお話を伺って実行しました。

 

 豊中市立eMIRAIE環境交流センターは、市民の交流拠点となる施設であり、環境の分野にとらわれず、市民が主体となって活動する支援を行っています。

 

幼い子供から、その保護者、シニアの方々までさまざまな世代にアプローチしているのがこの施設の魅力です。その活動内容は多岐にわたります。

 

役割分担について

電話でのアポ取り・担当者の方との連絡をし、質問事項を具体的にまとめ、施設にメールしました。当日は、担当者の方へ質問させていただきました。

当日参加できなかったメンバーは、大阪府のほかの自治体の環境への取り組みについてインターネットで調べました。

 

7月5日の夕方に大学内で集まり、曽根駅へ行きました。そこから線路沿いに歩いて行くと、徒歩5分ほどで高架下にある豊中市立eMIRAIE環境交流センターに到着しました。f:id:earthandecology:20190810205758j:plain

入口の様子

 
 施設内の交流フロアで施設を運営しているNPO法人とよなか市民環境会議アジェンダ21の職員の方から1時間ほどお話を伺いました。

 

アジェンダ21」とは、1992年にブラジルのリオデジャネイロで開催された「環境と開発に関する国連会議(地球サミット)」で合意された、21世紀に向けての行動計画です。

 

これを受けて豊中では、「豊中アジェンダ21」とよなか市民行動計画(ローカルアジェンダ)が策定されました。 

 

 

 

施設の経過

2005年に市の直営でリサイクル交流センターとして開設

2013年からとよなか市民環境会議アジェンダ21の管理、運営に

来館者数も2005年 7421人→2010年 3645人と落ち込みましたが、

2013年は12644人、2016年には19083人に

                

施設紹介

施設内には資料室があり、環境に関する図書が1300冊以上、また他の市の報告書をまとめたものも保管されていました。f:id:earthandecology:20190810213628j:plain

 

 

給食の調理くずや食べ残しと街路樹の剪定枝を混合し発酵・熟成させた「土を元気にする」堆肥や洗剤不要のスポンジなど、環境に配慮した商品も販売されていました。

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不用品交換コミュニティボードでは、ボードに譲りたい、または譲ってほしい物品情報掲示し、条件があえば、当人同士のやりとりで受け渡しが行われます。f:id:earthandecology:20190810214027j:plain

 

 

身近な生き物の観察・調査や環境に関する絵本の読み聞かせ、自然のものを使った工作など、様々なイベントを開催しています。   

   

活動を広めていくために、施設の知名度を上げることが課題として挙げられます。イベントを多数開催することは、より多くの人に環境について興味を持ってもらうことにつながります。

 

 

大阪府内の豊中市以外の地方自治体では、このような環境団体の支援や、環境保護を行っている専門の施設や部門があることが少なく、環境という名のついた部署の多くはごみ関係の事業が中心で、このような地球環境の維持という目的で動いている自治体は少ないです。

 

私たちがこの人新世の世界を生き延びていくには、環境団体などのボランティア活動だけでなく、地方自治体などの公の組織の力が不可欠で、この施設のような取り組みが全国に広がれば、環境保護団体に参加しているボランティア以外の一般の人々の意識が高まり、より運動も活発になるのではないかと思います。

 

 

今回私たちが授業で教科書として用いた「人新世とはなにか」では、結論として、我々人類が人新世から脱却し、元の世界に戻すことは困難で、人新世の世界の中で生きていくことが可能な程度に環境を維持していく必要があると述べられていました。

教科書の中で述べられていた地球の危機的な状況がもっと人々に広がり、今回取材させていただいた施設や、環境保護団体がもっと盛んとなり、人々が人新世の世界を維持していくことを義務と考えるようになる必要があると思います。

また、教科書ではこれまでの市民活動として、主に人新世的な活動への抗議運動というものが挙げられていましたが、これから先、人新世を維持しながら生きていくにあたり、必要とされているのはこういった運動だと感じました。

人新世そのものからの脱却ではなく、市民の環境意識を向上させることで、ごみの分別のような小さなことのみならず、環境団体が現在行っているような大きな環境維持活動へも意識を広げさせる必要があると感じました。

 

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感想

残念ながら人新世から脱却するということは困難なことで、我々が生きていくためには人新世の中で環境を維持し続ける必要があることがよく分かりました。

今回のプロジェクトを通して、豊中市の幅広い環境活動について詳しく学ぶことができ、豊中市のこのような取り組みを他の地域でも広めていくことが環境保全にもつながるのではないかと思いました。

実際に伺い、豊中市立eMIRAIE環境交流センターは人々が気軽に立ち寄り、交流できる施設なのだと実感しました。この施設が行うような活動がさらに広まることで市民一人ひとりの環境に対する理解が深まっていくといいと思いました。

職員の方のお話を通して、有志の市民が主体的に環境問題に取り組み、施設が活動の拠点となっていると感じました。このような充実した施設がある自治体は珍しいと思うので、他の地域にも広がれば市民の意識向上につながると思いました。

 

 

 最後になりましたが、今回お話ししてくださった職員の方に心より感謝を申し上げたいと思います。

施設について丁寧に説明し質問にもお答えいただき、また私たちの取り組みについて関心をもってくださったことが印象的でした。お忙しいなか私たちのために時間をさいてくださり本当にありがとうございました。

 

*1:クリストフ・ボヌイユ, ジャン・バティスト・フレソズ著. 野坂しおり訳. 「人新世とは何か―〈地球と人類の時代〉の思想史」. 青土社, 2018.